【第2回】空き家をリフォームして売る際の注意点 ― お金をかけすぎてもNG

前回は空き家をリフォームしてから売却するメリットを紹介しましたが、今回はその逆、注意すべき「デメリット」についても冷静に見ていきましょう。
「リフォームをすれば必ず高く売れる」と思っている方も多いかもしれません。しかし、現実はそう単純ではありません。
空き家の購入を考えている層には、「とにかく安く買って、自分の好きなように改装したい」と考えている人も多く存在します。こうした人たちは、すでにリフォームされていて、その分価格が上がってしまっている物件には、そもそも興味を持たないのです。つまり、リフォームすることによってターゲット層が変わってしまい、かえって売れにくくなるケースもあります。
また、リフォームにかかった費用をそのまま売却価格に上乗せするのは理屈としては自然ですが、実際には「中古物件」の相場というものが存在します。築年数が古ければ、いくら内装をきれいにしても、買主側は「割高だな」と感じてしまうのが現実です。
さらに、周辺に新築の競合物件がある場合、「だったらもう少し出して新築にしようかな」と思われてしまい、リフォーム済みの中古物件は選ばれにくくなります。つまり、どこまで手を加えるかの「バランス」が非常に重要なのです。
空き家をリフォームして売却を目指すのであれば、「どこに手を加えれば効果的か」「どこまで費用をかけるべきか」を慎重に見極める必要があります。不動産のプロやリフォーム業者とよく相談したうえで、無駄のないリフォームを行うことが重要です。